8.東京くみひも

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くみひもの歴史は古く、その用途も多く 現代帯締めや羽織ひもなど私たちの日常生活には 欠かせないものとして広く使われています。
こうしたくみひもの技術・技法は、 古くは中国や朝鮮を経て伝えられ 時代とともにいろいろなものに使われるようになりました。
仏教の伝来に伴うお経の巻き物や袈裟、貴族の礼服の添帯 さらに武士の台頭による兜や鎧のおどし糸や刀の柄巻など 多方面に活用されてきました。
また 小袖が流行してくると帯や腰ひもに さらに帯じめなどへと普及していきました。
くみひもの技術は 当時は武士の生業として行われていたといいます。
日本は 世界でも珍しいくらい「ひも」の発達した国だといわれ 結ぶは単に物をしばったり 継いだりするだけでなく 結び方、結ぶ紐の色 結びの配置などにより 吉凶 性別 身分などを表現するものです。
又それは高麗打 朝鮮組などという名称からも その源泉は大陸 朝鮮半島からの渡来をうかがい知ることができます。
くみひもを組み上げるための組み台には 角台(かくだい) 丸台 綾竹台(あやたけだい) 重打台(じゅうちだい) 高台(たかだい) 内記台(ないき)および篭打台(かごうち)の 7種類に分類することができます。
糸と糸とが交差する組み目とワビ・サビといわれる渋好み色使いが 東京を代表する「くみひも」の一つとなっています