26.東京桐箪笥

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日本の代表的な収納家具といえば桐箪笥。 その発生は意外に新しく、江戸時代のはじめ(1600年代後半)に 大坂で作られたのが最初であるといわれています。 一般に普及したのは18世紀に入ってからで、 当時は神田や浅草で製作され、 金具職人も近くに住んでいたようです。 明治時代には政府の殖産振興策によって 各地で次々と博覧会が開催され、 明治23年(1890年)の第三回内国勧業博覧会には 初めて洋服箪笥が登場し注目を浴びました。 昭和に入ると、大衆むきの箪笥の需要が多くなり、 デザインにも様々な工夫が凝らされるようになってきました。 基本的には昭和初期のデザインが今も変らずに続いています。 かつては、女児が生まれると桐の木を植え、 やがて嫁入り道具として成長した木で桐箪笥を作る風習がありました。 湿度の高い日本では軽くて柔らかく通気性に富んだ桐は 衣類や大切な品々を保管するのに適した良材であることを、 昔の人々は経験から知っていたのです。 さらに桐は耐火性に優れており火災のときも 水がかかるとその吸収が早く、 いわゆる目がつまって内側に炎が入るのを防ぎました。 東京桐箪笥は最上とされる会津桐や南部桐を使って、 一棹一棹丁寧に仕上げられています。 江戸職人の技と気質を受け継ぐ東京桐箪笥。 美しい柾目やしっとりとした色調は室内調度品として 独自の気品と優雅さを持っています。


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